ミャンマー市民の模索

ミャンマーで20年ぶりの総選挙

【11月7日 AFP】ミャンマーで7日、20年ぶりとなる総選挙が行われた。民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんの自宅軟禁が依然続く状況下での総選挙は、国際社会から非民主的として批判を浴びている。
(2010/11/07 AFP)

軍事政権による出来レースな総選挙。

1990年に行なわれた選挙結果を認めずに軍事支配して20年。今回は翼賛政党「連邦団結発展党(USDP)」を結党し、準備も万全。

民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チー氏を自宅軟禁、彼女の所属していた「国民民主連盟(NLD)」を解党。議員の1/4は軍人に割り振ると改憲。そして、立候補を阻む高額な立候補登録料や選挙区の限定。さらに、国際選挙監視団や海外の報道陣の受け入れを拒否。

ここまでやりたい放題の厚顔っぷりも凄いが、この総選挙を支持する中国も凄い。東南アジアに影響力を拡大しようとする中国と、欧米諸国からの制裁に風穴を開けようとするミャンマーとの利害は見事に一致。さらに、この結びつきに北朝鮮やスリランカなどが絡み、欧米への対抗勢力として成長する可能性も高い。また、核開発疑惑もあり、今後も注視していく必要がある。

この厚顔っぷりを支えるのは、ミャンマーが持つ天然資源。特に天然ガスが豊富で、中国はパイプラインを建設しており、隣国インドも実利外交に転換している。こうした状況の下、軍事政権に対して欧米諸国の経済制裁がどこまで影響力を行使できるのか疑問もある。

そして、肝心のミャンマー国内の人々も意見が割れている。スー・チー氏は選挙のボイコットを訴えたが、NLDから分派した「国民民主勢力(NDF)」は選挙に参加した。また、政府との協調の下で変化を目指す市民団体「イーグレス」も誕生している。その創設者の「理想主義から一歩引いた解決策が必要だ」という言葉は重い(ミャンマーの新たな民主化勢力、政権と協調へ / WSJ.com)。

「押してもダメなら、引いてみな」。軍事政権に真っ向から対立するのではなく、政権も含めた幅広い連携を通して民主化を目指す。20年の軍政を経験した人々の、これもまた大切なアプローチの一つだ。民主化への道は一つではなく、様々なアプローチがある方が良い。どれが実を結ぶか分からないのだから。

このように新たなアプローチを模索する人々が生まれたのも、彼女が軍政を押し続けたからだとも言える。そんなことを考えながら、遠い昔に入ったビルマ・レストランの壁に飾られたスー・チー氏の肖像画を思い出した。


参考:

【アセアニア経済】ミャンマーに熱い視線 (1/2ページ) – MSN産経ニュース


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