法廷ライブ

産経新聞の「法廷ライブ」が興味深い。

押尾学薬物事件」からその存在を知った裁判傍聴記で、刑事裁判の審理の様子が生々しく描写される。傍聴する記者のフィルターを通しているという点を踏まえた上で読む必要があるが、被告をはじめ検察や弁護人そして証人や裁判官のやりとりは臨場感あふれ、その場の重苦しく、時に張り詰めた空気が伝わってくる。

今回は「耳かき店員殺人」。若い女性店員に偏った好意をよせた四十男が引き起こしたストーカー殺人事件。裁判員制度が始まって初めて死刑が求刑された事件でもあり、裁判に注目が集まった。

裁判を通して、ストーカーの心理面を垣間見られたことは興味深かった。誰しもが抱く恋愛感情の何処に一般人とストーカーを分ける分水嶺があるのか?少なくとも今回の被告は、被害者がどのように考えていたかを想像する努力をしたようには見受けられなかった。最後まで「何故?どうして?」に終始し、相手の気持ちを汲み取ろうとしない姿勢が強く印象に残った。

もう一つ気になったのは、事件を防ぐポイントは幾つもあったことだ。もちろん、事件の後なら何とでも言えると言われればそれまでなのだが。それでも、被告が店を出入り禁止になった時点や警察を呼ぶ騒ぎになった時点、この時に最悪を考慮して対処できていればと思えてならない。

この日、無期懲役の判決が下されたが、傍聴席にいた遺族とみられる女性の「こんなのやだー、やだもう、納得できない、納得できない!」という悲痛な叫びが重くのしかかった。


ぼちぼち生きてます。

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