遺言

絞首台からのレポート」(ユリウス・フチーク)を読む。

2009/05/22の件でネットを漁ってるとき
偶然に辿り着いた「ソンミを振り返る」。
その最後の締めくくりに引用されていた言葉。

「すべての人類よ、警戒を怠るな!」

この言葉がとても心に残り、色々とググる。

チェコの共産主義活動家、ユリウス・フチーク。
第二次世界大戦末期、ナチによって収容所に拘束され
過酷な拷問を受けた後に処刑される。

だが、獄中で彼が書いたメモは
看守の協力により外へ運び出され、戦後に編纂されて出版。
世界中に翻訳され、引き継がれる獄中記。

暴力や死と隣り合わせという極限状況の中
信念を持つということが、これほど強くなれること
そして、これほど誇り高くなれること
いつ果てるかも分からない時間の中
残された一言一句に宿る命。

そして、決して忘れてならないことは
このメモに命を賭けたのは、フチークだけではないこと。

フチークに言葉を残すため、彼にペンとメモを渡し
書き留めたメモを収容所の外へ運び続けた二人の看守たち。
そして、そのメモを受け取って隠し続けた人たち。

見つかれば、投獄され拷問を受けて死ぬかもしれない恐怖。
何の見返りを期待できる訳でもないのに
危険を顧みずに、フチークのメモを守り続けた人たち。
この人達の勇気が無ければ、このメモが日の目を見ることは無かっただろう。
沢山の人々の命に支えられてきたメモ。

たとえ脚光を浴びることが無くても、この人たちの勇気も
フチークの勇気と同じように忘れてはならない、大切な勇気。

表舞台に出ることはない人々の勇気に
ロバート・ケネディとオバマ大統領の言葉を思い出す。

Few will have the greatness to bend history; but each of us can work to change a small portion of events, and in the total of all those acts will be written the history of this generation.

-Robert F. Kennedy-

But in my life, I have also learned that hope is found in unlikely places, that inspiration often comes not from those with the most power or celebrity, but from the dreams and aspirations of ordinary Americans who are anything but ordinary.

Barack Hussein Obama, Jr.

そして、フチークが処刑されてから六十年以上も過ぎた現在
未だ政府と意見を異とする人々が
政府によって投獄され拷問を受け続ける現実。
世界はまだ、フチークのような勇気を持った人々の命を吸い続ける。

「人々よ、私はあなたたちが好きだった。気をつけてくださいよ!」

メモの最後に綴られた、フチークからの警告。
いつの日か、死の恐怖に怯えずとも
自分の意見を自由に言える世界が訪れることを。

ぼちぼち生きてます。

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